電気の豆知識

densuke_08危ないぞ!タコ足配線

海のタコの足の本数は8本。人間の4倍だからかなり多いですね。そんなに足がいっぱいついていたらさぞかし逃げ足も速いんでしょうね。ところでその足がいっぱいついているところから名づけられたのがタコ足配線。海のタコと違ってこのタコ足配線には火災につながるなど多くの危険が潜んでいるのです。

タコ足配線とは?

家庭やオフィスには、壁にコンセントの差込口が幾つかありますが、家電製品やOA機器があふれた現代ではついている差込口の数だけでは当然足りません。そこで、1つのコンセント差込口に、延長ケーブルやテーブルタップなどと呼ばれる機器を複数接続し、コンセントの差込口を増やして電化製品やOA機器をたくさんつなぐ。それがまるでタコの足のように見えることから、タコ足配線と呼ばれています。

タコ足配線が危ない理由

その1:過電流、最大消費電力を超えてしまうこと

コンセントの定格は一般に15A(アンペア)です。つまり合計1,500ワットまでの電化製品やOA機器を使用できます。ところが、タコ足配線をすると、使用している機器の合計の使用量が判りにくくなり、いつしか15Aを超えてしまうのです。この状態が長く続くとコードや、プラグ、タップ、コンセントなどの絶縁物が熱くなり、樹脂の耐熱温度を超え発火してしまうのです。

消費電力が高い家電製品をテーブルタップに接続するときは注意が必要です。例えば、電子レンジや冷蔵庫、炊飯器、電気ポットなど消費電力が高い家電製品をタコ足配線で使用することはとても危険です。

また、冬に使うコタツや電気ストーブなどの暖房器具も消費電力が高いです。複数の暖房器具をテーブルタップにつなげて使うのは避けましょう。

その2:電気接続部の増加

タコ足配線をすると、1つのコンセント口に多くのプラグが差し込まれ、コード自身の重さなどにより、コンセント口に差し込まれたタップが少し抜けかかった状態になり易いです。そのような状態の電気接続部が増えると接触不良になり危険性が増すのです。

densuke_13ホコリ高きプラグは笑えない

コンセントがショートするトラッキング現象の危険性

コンセントやテーブルタップなどに長期間プラグを差し込んだままにしておくと、知らず知らずのうちにプラグとの隙間などにほこりが溜まっていきます。

このほこりに空気中の湿気などが付着することでプラグの両極間に微妙な火花放電(ショート)が起こるのです。これを繰り返すことによってついには差し込みプラグから発火するのです。

これがトラッキング現象。特にプラグが不完全な状態で差し込まれたままだと接触不良で発熱し、トラッキングがより発生しやすくなります。

このトラッキング火災が怖いのはいつ起こるかわからないことです。寝ている時や、留守の時に発生した場合は取り返しがつきません。常にコンセントはチェックしておきましょう。特に冷蔵庫や家具の裏などふだんなかなか目の行き届かないところにあるコンセントは、面倒でも定期的にプラグをはずして掃除をしましょう。漏電ブレーカーが付いていてもトラッキング現象ではブレーカーは落ちないので、常日頃の掃除が欠かせません。

densuke_11細部漏らさず!が安心を運ぶ

漏電による火災

漏電火災は木造住宅で発生するケースが多いです。屋内配線や電気機械器具は電気が外に漏れないように絶縁物で覆われていますが、この絶縁物が劣化する、破れるなどの絶縁不良を起こすと電流が流れ金属部が発熱し、これに接する木材などを発火させます。 

漏電火災は、壁の内部等、目に見えないところから出火し、発見が遅れ、発見された時にはすでに大火災が発生してしまっている場合が多いものです。まずは漏電ブレーカや漏電警報器を設置することで火災を防ぎましょう。

densuke_15緩くなってしまうのは世の常

ブレーカの電気火災

住宅内のブレーカー(電流遮断機)から出火する火災も増えています。遮断機に配線する接続ねじがいつのまにか緩んでしまい電流が流れにくくなって発熱するケースです。

緩みは道路沿いの家やドアを頻繁に開け閉めする上にブレーカが取り付けられているなど振動が原因で徐々に緩んだりするケースなど様々な原因が考えられます。